調剤後薬剤管理指導料|2026年度調剤報酬
調剤後薬剤管理指導料【2026年度】点数・算定要件・具体例を詳しく解説
結論:調剤後薬剤管理指導料は、対象となる糖尿病患者・慢性心不全患者に調剤後の状況確認、継続指導、医師への文書提供まで実施した場合に評価されます。両区分とも60点、月1回まで。交付時の服薬指導を行っただけでは該当しません。
点数早見表
| 対象・区分 | 点数 | 単位・判定条件 |
|---|---|---|
| 糖尿病患者 | 60点 | 所定の糖尿病患者に調剤後のフォロー・文書提供を実施 |
| 慢性心不全患者 | 60点 | 心疾患入院歴と作用機序の異なる複数治療薬等の対象条件を満たす |
| 頻度 | 月1回まで | 施設基準・届出、必要な一連の業務が前提 |
算定までの判断手順
- 対象患者が糖尿病の所定対象か、入院歴等のある慢性心不全の所定対象かを確認する。
- 施設基準・届出を確認し、患者・家族の求め/医療機関の求め・医師の了解・同意等の入口条件を確認する。
- 調剤当日を除く日に、電話等で服用状況や副作用等を確認する。
- 必要な継続指導を行い、処方医に必要な情報を文書で提供する。
- 月1回の上限と服薬情報等提供料の併算定不可、特別調剤基本料による制限を確認する。
算定要件と実務上の注意点
糖尿病患者と慢性心不全患者は対象要件が違う
「糖尿病の診断がある」「心不全の病名がある」という事実だけで一律に60点になるわけではありません。慢性心不全は、心疾患の入院経験や作用機序が異なる複数治療薬の処方などの条件があり、糖尿病も別に定められた対象患者であることが必要です。
調剤した当日の電話だけでは足りない
点数表には、調剤と同日を除く電話等による服用状況・副作用確認が明記されています。退局直後の電話確認を調剤後フォローの完了として扱わず、確認日と結果を残します。
服薬情報等提供料との重複を防ぐ
本料を算定した場合、区分番号15の5の服薬情報等提供料は算定できません。情報提供をしたからといって二つの評価を重ねないよう、対象患者・算定日・当該月の記録を照合します。
確認すべき副作用・服薬状況は薬剤ごとに異なる
糖尿病患者なら低血糖や生活状況、慢性心不全患者なら息切れや浮腫、体重変動など、治療の特性に応じた確認が考えられます。ただし、疾患名だけで算定条件を判断するのではなく、点数表が定める対象者・薬剤・入院歴などの条件を優先して確認します。発見した問題に対して何を指導し、医師にどの情報を伝えたかが実務の中心です。
医師への報告文書の作り方
調剤日・フォローを実施した日、確認した服薬状況、副作用、患者の訴え、薬剤師としての評価、行った指導、医師への相談・提案内容を簡潔に記載します。電話した事実だけではなく、患者の状態がどうで、次の医療連携に何を役立ててもらいたいのかを記録します。調剤日当日の電話を後日のフォローとして数えない点も確認します。
算定前の3点照合
①薬局が所定の施設基準を満たして届け出ているか、②対象患者・患者同意と医師了解等の入口要件がそろうか、③調剤後の確認・継続指導・文書提供をすべて実施したかの3点を照合します。いずれかが欠けている場合は、60点という点数を先に決めず、未実施の要件を確認します。
具体例:算定できる・できないを判定
例1|対象糖尿病患者を後日電話で確認
患者同意・医師了解等の条件を満たし、調剤後の状況確認・継続指導・文書提供まで行えば60点の対象になり得ます。
例2|調剤当日のみ確認
調剤と同日の確認だけでは、後日の電話等による確認要件を満たしません。
例3|慢性心不全だが入院歴を未確認
病名だけでは判断できません。入院歴・薬剤の要件等を確認します。
例4|電話はしたが文書情報提供なし
必要な業務の一部が欠けるため、本料の要件を満たしません。
例5|同一患者で服薬情報等提供料も請求
本料と服薬情報等提供料は併算定できません。
よくある算定ミス・例外
- 糖尿病・心不全の病名だけで対象と判断する。
- 調剤当日の確認のみで実施済みにする。
- 医師の了解・患者同意など入口条件を確認しない。
- 医師への文書報告がないのに算定する。
- 同月に本料と服薬情報等提供料を重複算定する。
よくある質問(FAQ)
調剤後薬剤管理指導料は何点ですか?
糖尿病・慢性心不全の各区分とも60点です。
月に何回算定できますか?
必要な一連の業務を実施した場合に月1回までです。
処方当日の電話だけでよいですか?
いいえ。調剤と同日を除く日に、電話等で確認する要件があります。
糖尿病と診断されていれば対象ですか?
別に定められた対象患者の要件を確認する必要があります。
医師への文書情報提供は必要ですか?
はい。必要な情報を処方医へ文書で提供することが求められます。
服薬情報等提供料と両方算定できますか?
いいえ。本料を算定する場合、服薬情報等提供料は算定できません。
関連する調剤報酬
公式資料で確認する
令和8年度 調剤報酬|薬学管理料
調剤後薬剤管理指導料:この区分は、下の点数内訳と公式通知の算定上の留意事項を組み合わせて確認します。
点数・内訳【2026年度】
本区分に含まれる点数・加算・減算の項目を確認できます。下表の細分項目には、それぞれの算定条件へのリンクがあります。
算定要件・施設基準
公式算定留意事項のうち、この区分で確認する見出しです。各項目を選ぶと、下に掲載した原文の該当部分へ移動します。
関連する算定項目
公式資料
算定要件・対象・回数・例外(厚労省通知)
この区分の公式算定留意事項を、省略せず項目別に整理しています。実際の算定には施設基準、届出、経過措置もあわせて確認してください。
算定上の留意事項
(1) 調剤後薬剤管理指導料1は、新たに糖尿病用剤が処方等された患者に対し、薬物治療を
適切に継続する観点から、地域支援・医薬品供給対応体制加算の2から5までのいずれか
を届け出ている保険薬局の保険薬剤師が、調剤後に電話等により、その使用状況、患者の
服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無等について患者に確認する等、
必要な薬学的管理指導を行うとともに、その結果等を受診中の保険医療機関に文書により
情報提供した場合に算定する。
(2) (1)の「新たに糖尿病用剤が処方等された患者」とは次のいずれかに該当する患者を
いう。
ア 新たに糖尿病用剤が処方された患者
イ 糖尿病用剤の用法・用量の変更があった患者
(3) 調剤後薬剤管理指導料2は、心疾患による入院歴のある作用機序が異なる複数の治療薬
の処方を受けている慢性心不全患者に対し、薬物治療を適切に継続するとともに、特に入
院歴を有する慢性心不全患者の再入院を抑制する観点から、地域支援・医薬品供給対応体
制加算の2から5までのいずれかを届け出ている保険薬局の保険薬剤師が、調剤後に電話
等により、その使用状況、患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有
無等について患者に確認する等、必要な薬学的管理指導を行うとともに、その結果等を受
診中の保険医療機関に文書により情報提供した場合に算定する。なお、当該指導料に係る
薬剤の調剤と同日に電話等により使用状況の確認等を行った場合には算定できない。
(4) (3)の「心疾患による入院歴のある作用機序が異なる複数の治療薬の処方を受けてい
る慢性心不全患者」とは、日本循環器学会及び日本心不全学会が作成する最新の「急性・
慢性心不全診療ガイドライン」等を参照し、複数の作用機序の異なる循環器疾患に係る治
療薬の処方を受けている慢性心不全患者をいう。
(5) 調剤後薬剤管理指導料に係る電話等による当該治療薬の服薬状況の確認等は、以下のい
ずれかの場合に患者の同意を得て行うものであること。なお、電話等による確認方法につ
いては、電話の他に情報通信機器を用いた方法も含まれるが、患者等に一方的に情報発信
すること(例えば、一律の内容の電子メールを一斉送信すること)のみでは、継続的服薬
指導を実施したことにはならず、個々の患者の状況等に応じて必要な対応を行うこと。
ア 保険医療機関からの求めがあった場合
イ 患者若しくはその家族等の求めがあり、保険薬剤師が調剤後の薬剤管理指導を必要と
認め、医師の了解を得た場合
(6) 調剤後薬剤管理指導料に係る調剤後の糖尿病又は慢性心不全の治療薬の服薬状況等の確
認は、処方医等の求めに応じて実施するものであり、計画的な電話等による確認を原則と
すること。この場合において、あらかじめ患者等に対し、電話等を用いて確認することに
ついて了承を得ること。
(7) 電話等による患者の糖尿病又は慢性心不全の治療薬の服薬状況等の確認を行った結果、
速やかに保険医療機関に伝達すべき患者の服薬中の体調の変化等の情報を入手した場合は、
当該情報を患者が受診中の保険医療機関に提供するとともに、必要に応じて保険医療機関
への受診勧奨を行うこと。
(8) 医療機関への情報提供に当たっては、単に確認された服薬状況、副作用の状況を記載し
て情報提供するだけでなく、医療機関との連携の下で、処方医等の求めに応じた情報の収
集と、薬学的分析及び評価に基づく情報提供を実施するとともに、必要に応じて処方に係
る提案等を行うこと。この際、体重の増減、塩分摂取、飲水の状況など、薬学的管理に密
接に関係する情報も積極的に収集し、活用することが望ましい。また、医療従事者間のI
CTを活用した服薬状況等の情報共有等により対応した場合には、処方提案等の行為を行
った日時が記録され、必要に応じてこれらの内容を随時確認できることが望ましい。
(9) 当該指導料に係る薬剤の調剤と同日及びその次に処方箋を受け付ける日に電話等により
使用状況の確認等を行った場合には算定できない。なお、電話等により使用状況の確認等
を行った結果、受診勧奨により患者が保険医療機関を受診し、その処方箋を持参した場合
及び調剤後薬剤管理指導料の要因となった処方箋を発行した医療機関以外からの処方箋を
持参した場合は、この限りではない。
(10) 調剤後薬剤管理指導料の算定時に行う保険医療機関への文書による情報提供については、
服薬情報等提供料は算定できない。
(11) 調剤後薬剤管理指導料は、特別調剤基本料Aを算定している保険薬局において、当該保
険薬局と不動産取引等その他特別な関係を有している保険医療機関へ情報提供を行った場
合は算定できない。
原本SHA256: 274c5a68e577a56677ff9ca1f40cde8a3336e7629fae2bbd6bb06d365446c739。通知の訂正・改正があった場合は再照合が必要です。
2026年6月1日施行の調剤報酬点数表に記載された「調剤後薬剤管理指導料」について、公式の区分・点数・算定上の規定を確認できます。改定・訂正がある場合は、表示内容と原本の適用日を確認してください。
点数と細分区分
単一の固定点数がない場合は、算定区分の規定・計算方法を原文で確認してください。
算定要件・対象・例外(点数表の原文)
公式点数表に掲載された当該区分の本文と注記です。回数・対象者・併算定・除外・経過措置等も含みます。
14の4 調剤後薬剤管理指導料
1 糖尿病患者に対して行った場合 60点
2 慢性心不全患者に対して行った場合 60点
注1 区分番号00に掲げる調剤基本料の注5に規定する施設基準に適合しているも
のとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において、1については糖尿病患者
であって、別に厚生労働大臣が定めるものに対して、2については心疾患による
入院の経験がある患者であって、作用機序が異なる循環器官用薬等の複数の治療
薬の処方を受けている慢性心不全のものに対して、患者又はその家族等の求めが
あり、保険薬剤師が必要性を認め、処方医の了解を得た場合又は保険医療機関の
求めがあった場合に当該患者又はその家族等の同意を得て、調剤後に次に掲げる
業務等の全てを行った場合には、調剤後薬剤管理指導料として、月1回に限り算
定できる。この場合において、区分番号15の5に掲げる服薬情報等提供料は算
定できない。
イ 調剤後に当該薬剤の服用に関し、その服用状況、副作用の有無等について当
該患者又はその家族等へ電話等により確認すること(当該調剤と同日に行う場
合を除く。)。
ロ 必要な指導等を継続して実施すること。
ハ 処方医へ必要な情報を文書により提供すること。
2 区分番号00に掲げる特別調剤基本料Aを算定する保険薬局において、区分番
号00に掲げる調剤基本料の注6に規定する別に厚生労働大臣が定める保険医療
機関への情報提供を行った場合は、算定できない。
3 区分番号00に掲げる調剤基本料の注2に規定する別に厚生労働大臣が定める
保険薬局においては、算定できない。
算定上の留意事項・施設基準
算定留意事項の記載候補:公式PDF p43
きない。
区分14の4 調剤後薬剤管理指導料
(1) 調剤後薬剤管理指導料1は、新たに糖尿病用剤が処方等された患者に対し、薬物治療を
適切に継続する観点から、地域支援・医薬品供給対応体制加算の2から5までのいずれか
を届け出ている保険薬局の保険薬剤師が、調剤後に電話等により、その使用状況、患者の
服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無等について患者に確認する等、
必要な薬学的管理指導を行うとともに、その結果等を受診中の保険医療機関に文書により
情報提供した場合に算定する。
(2) (1)の「新たに糖尿病用剤が処方等された患者」とは次のいずれかに該当する患者を
いう。
ア 新たに糖尿病用剤が処方された患者
イ 糖尿病用剤の用法・用量の変更があった患者
(3) 調剤後薬剤管理指導料2は、心疾患による入院歴のある作用機序が異なる複数の治療薬
の処方を受けている慢性心不全患者に対し、薬物治療を適切に継続するとともに、特に入
院歴を有する慢性心不全患者の再入院を抑制する観点から、地域支援・医薬品供給対応体
制加算の2から5までのいずれかを届け出ている保険薬局の保険薬剤師が、調剤後に電話
等により、その使用状況、患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有
無等について患者に確認する等、必要な薬学的管理指導を行うとともに、その結果等を受
診中の保険医療機関に文書により情報提供した場合に算定する。なお、当該指導料に係る
薬剤の調剤と同日に電話等により使用状況の確認等を行った場合には算定できない。
(4) (3)の「心疾患による入院歴のある作用機序が異なる複数の治療薬の処方を受けてい
る慢性心不全患者」とは、日本循環器学会及び日本心不全学会が作成する最新の「急性・
慢性心不全診療ガイドライン」等を参照し、複数の作用機序の異なる循環器疾患に係る治
算定上の留意事項(厚生労働省) / 施設基準告示 / 施設基準の届出通知
出典:厚生労働省/令和8年度調剤報酬点数表。区分番号 14の4、2026年6月1日適用。施設ごとの算定可否は届出状況等によって異なります。