オングリザ錠(一般名:サキサグリプチン水和物)は協和発酵キリンから発売が予定されている国内で7番目のDPP-4阻害薬。発売日は2013年5月の予定。
1日1回の投与により血糖依存的な血糖降下作用を示します。適応は「2型糖尿病」で他の糖尿病用薬との併用療法が可能となっています。
発売されるのはオングリザ錠2.5mgとオングリザ錠5mgの2剤形。通常は1日5mg服用。1日1回食前でも食後でもどちらでも可です。
最高血中濃度到達時間(tmax)=0.80時間
血中濃度半減期(T1/2)=約6.5時間
このパラメータでは、投与後24時間経過すると未変化体の血中濃度はだいぶ低くなり、血糖上昇抑制効果が持続しそうもありません。
しかし、臨床薬理試験によれば、投与24時間後においても血漿中DPP-4活性が67%以上阻害されており、GLP-1濃度は増加し血糖値は十分に低下することが示されています。この結果から、1日1回投与となったそうです。
また、サキサグリプチンはDPP-4からの解離速度が遅く、作用が持続するという特徴もあります。
サキサグリプチンはDPP-4に結合した後の解離速度が遅く、DPP-4に対する阻害作用が持続すると考えられます。
ヒトDPP-4に対する解離半減期
サキサグリプチン 50分
ビルダグリプチン 3.5分
シタグリプチン <2分 (申請時資料より)
既にDPP-4阻害薬は6剤発売されており、1日1回投与の薬剤や全ての糖尿病用薬との併用が可能な薬剤もあります。5番目に発売されたテネリア錠や6番目のスイニー錠はほとんど処方がありません。後発組は厳しいようです。⇒DPP-4阻害薬の発売日
さて、このオングリザ錠の処方は伸びていくでしょうか。長期投与が可能となる薬価収載1年後が勝負ですね。
作用機序
活性型グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)を分解する酵素のDPP-4(ジペプチジルペプチダーゼ-4)を選択的に阻害することでGLP-1の作用を高め、血糖を低下させる。
効能・効果
2型糖尿病
すべての薬剤との併用療法が可能となっています。⇒DPP4阻害薬と他の糖尿病薬との併用可否一覧表(2013年4月更新版)
用法・用量
通常、成人にはサキサグリプチンとして5 mg を1日1回経口投与する。なお、
患者の状態に応じて2.5 mg を1 日1 回経口投与することができる。
薬価
薬価:⇒オングリザ錠の薬価(平成25年5月薬価収載)
ジェネリック:無し