6月調剤分の後発医薬品の数量シェア(置換え率)の計算方法について厚生労働省から発表がありました。
6月20日には新規にディオバン錠、プレミネント配合錠LD、アーチスト錠1.25mg、アーチスト錠2.5mgのジェネリックが発売されました。また、ブロプレス錠のジェネリック、カンデサルタン錠が薬価収載されました。こちらの発売日は9月中旬です。
ジェネリック数量ベース(後発品置き換え率)を計算する際に、これらの医薬品はどのように扱えば良いのでしょうか?
※後発医薬品の数量シェア(置換え率)は次の計算式で求められます。
後発医薬品の数量シェア(置換え率)の計算式
後発医薬品の数量シェア(置換え率)=
後発医薬品の数量※1/(後発医薬品のある先発医薬品の数量※2+後発医薬品の数量※1)
※1先発医薬品と同額又は薬価が高い後発医薬品は除く。
※2後発医薬品と同額又は薬価が低い先発品は除く。
では、今回のように月の途中で発売された新規の後発品がある場合はどのように計算すればよいのでしょうか。
まずは、ディオバン錠やブロプレス錠が診療報酬上どのように定義されるかについて調べる必要があります。
使用薬剤の薬価(薬価基準)に収載されている医薬品について(平成26年6月20日適用)の 5.その他(各先発医薬品の後発医薬品の有無に関する情報)を見ます。
そのリストの「各先発医薬品の後発医薬品の有無に関する情報の欄には」数字がかかれています。
「1」後発医薬品がない先発医薬品
「2」後発医薬品がある先発医薬品(先発医薬品と後発医薬品で剤形や規格が同一でない場合等を含む。後発医薬品と同額又は薬価が低いものについては、「☆」印を付しています。)
「3」後発医薬品(先発医薬品と同額又は薬価が高いものについては、「★」印を付しています。)
ディオバン錠20mg、40mg、80mg、160mgを見てみますと、そこには「1」とあり、備考欄にはH26.7.1から「2」に変更とあります。バルサルタン錠は「3」です。
また、ブロプレス錠2mg、4mg、8mg、12mgには「1」とあり、備考欄にはH26.10.1から「2」に変更とあります。カンデサルタン錠は「3」です。
後発医薬品の数量シェア(置換え率)の計算式は
6月中はディオバン錠は計算式の分母に入らず、バルサルタン錠は分子と分母の両方に入るということです。そして、7月になるとディオバン錠が「2」になりますから分母に入ってくるということです。
同様に、9月末まではブロプレス錠は計算式の分母に入らず、カンデサルタン錠は分子と分母の両方に入るということです。そして、10月になるとブロプレス錠が「2」になりますから分母に入ってくるということです。発売が9月中旬であることを考慮したようです。
ちなみに、プレミネント配合錠、アーチスト錠1.25mg、アーチスト錠2.5mgも7月1日から分母に参入されます。
いずれにせよ、発売済みのジェネリックは分子にも分母にも入るので、早めに変更を勧めた方が後発品使用率が上がることは間違いありません。