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塩化リゾチーム製剤(商品名:ノイチーム、レフトーゼ、アクディーム)の効能・効果から慢性副鼻腔炎が削除になる見込みです。
本日発表のニュースリリースによると、塩化リゾチーム製剤を販売している製薬会社が共同で行った再評価試験において、慢性副鼻腔炎標準治療のクラリスロマイシン療法への上乗せ効果が無かったと結論付けられました。
その結果受け、慢性副鼻腔炎の効能効果の削除を申請したとのことです。
今後、耳鼻科領域での使用はほとんどできなくなるといってよいでしょう。
ニュースリリース
卵白リゾチーム製剤「ノイチーム®」の有効性再評価の臨床試験結果に基づく再評価申請および承認事項の一部変更申請について (エーザイ)
塩化リゾチーム製剤「アクディーム」の有効性再評価の臨床試験結果に基づく再評価申請および承認事項の一部変更申請についてのお知らせ(あすか製薬)
塩化リゾチーム製剤を使える疾患は?
慢性副鼻腔炎の適応は無くなりますが、気管支炎、気管支喘息、気管支拡張症による喀痰喀出困難に対しては従来通り使える予定です。
こちらは再評価試験でプラセボに有意差があったとのことです。
いつから慢性副鼻腔炎の適応が削除になるのか?
本日(平成27年5月29日)現在では適応削除の申請中ですので、慢性副鼻腔炎に対して使用可能です。
官報で発表され次第削除となりますので、その日以降はレセプト切られる可能性があります。
塩化リゾチーム製剤の代替薬は?
ノイチームもレフトーゼも、アクディームも代替薬にはなりません。銘柄を変えたところで慢性副鼻腔炎には使えません。
エンピナース(ブロナーゼ)も同様に再評価試験を実施中です。その結果によってはエンピナースも使えなくなります。
慢性副鼻腔炎の適応がある薬剤は
カルボシステイン(商品名:ムコダインなど)、アンブロキソール(ムコソルバンなど)、L‐メチルシステイン塩酸塩(ペクタイトなど)です。
耳鼻科から塩化リゾチーム製剤が入った処方を多く応需している薬局は今のうちから在庫を絞った方が良いのではないでしょうか。