メリスロン(メシル酸ベタヒスチン)は内耳循環改善作用、内頸動脈の血流量増加作用により、めまいを改善させる薬剤です。
内耳毛細血管の透過性を調節することにより、内リンパ水腫を除去する作用もあります。
メリスロンにはヒスタミン様作用があるため、注意が必要となる場合があります。
注意1:ヒスタミン様作用(H1受容体を介した作用)により気道の収縮を引きおこすおそれがあるため、気管支喘息の患者には慎重投与。
注意2:ヒスタミン様作用(H2受容体を介した作用)により、胃酸分泌が促進されるため、消化性潰瘍の既往歴のある患者及び活動性の消化性潰瘍のある患者には慎重投与。
注意3:ヒスタミン様作用により頭痛が誘発される可能性がある。
片頭痛を伴うめまいにはメリスロンではなく、セファドール(ジフェニドール塩酸塩)などが用いられることが多いようです。
作用機序
(添付文書・インタビューフォームより)
作用部位
内耳の毛細管前括約筋、脳血管
ヒスタミン類似作用による末梢血管拡張作用
①内耳循環障害の改善
内耳の毛細血管前括約筋を弛緩し、内耳血流量を増加させる。内耳毛細血管の透過性を調節することにより、内リンパ水腫を除去する作用もある。
②内リンパ水腫モルモットの蝸牛管血流量の増加
③脳内血流量の改善
内頚動脈の血流増加により脳循環を改善する。
効能・効果
メニエール病、メニエール症候群、眩暈症
用法・用量
通常、成人はベタヒスチンメシル酸塩として1回6~12mgを1日3回食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
副作用
悪心・嘔吐(ヒスタミン様作用による胃酸分泌促進も関係している)、発疹
以上、メリスロン(ベタヒスチンメシル酸塩)の説明でした。