アラミスト点鼻液(一般名:フルチカゾンフランカルボン酸エステル)はグラクソ・スミスクラインから発売されているアレルギー性鼻炎用ステロイド点鼻薬。
花粉症症状がひどい場合(くしゃみ・鼻漏型)は抗アレルギー内服薬と併用されます。鼻づまりがひどい場合(鼻閉型)にもロイコトリエン拮抗薬と一緒に用いられることが多いです。
このアラミスト点鼻液は1日1回の使用で良いこと、即効性があるという特徴から最近処方量が増加しています。
アラミスト点鼻液(フルチカゾンフランカルボン酸エステル)の特徴
- 新規のグルココルチコイド受容体(GR)アゴニスト。
- 世界初となる横押し型のデバイス。鼻の奥まで噴霧口が入りすぎてしまうのを抑える効果がある。(押すところが少し固い)
- 1日1回投与(各鼻腔2噴霧)で効果は24時間持続する。
- フルナーゼ点鼻液(フルチカゾンプロピオン酸エステル)よりも効果が長時間持続し、有効性・安全性はフルナーゼ点鼻液と同等以上。
- 投与1日目から効果発現。(フルナーゼより効果発現が早い。)
- 無臭
- 細かな霧状に噴霧されるため噴霧した薬がたれにくい。
最近ではアラミスト点鼻液に限らず、1日1回タイプの点鼻薬の処方量が増えています。
その他の1日1回タイプの点鼻薬
- ナゾネックス点鼻液(モメタゾンフランカルボン酸エステル水和物)
- エリザスカプセル外用(デキサメタゾンシペシル酸エステルカプセル)
アラミスト点鼻液の使い方
横押しタイプのデバイスは慣れれば簡単ですが、ボタンが固くて始めは戸惑う人もいます。添付の説明書よりも動画を見たほうが良くわかります。
⇒アラミスト点鼻液の使用方法(動画)(グラクソ・スミスクライン)
アラミスト点鼻液の作用機序
作用部位:鼻粘膜
一般にステロイドは細胞質内のグルココルチコイド受容体に結合し、複合体を形成し活性化する。受容体複合体は核内へ移行し、DNA 上のグルココルチコイド応答性エレメントに結合し、標的となる遺伝子転写を促進又は抑制する。その結果、炎症に関与するケミカルメディエーターやサイトカイン等の産生を遺伝子レベルで調節し、抗炎症作用を発揮する。
(ステロイドの作用)
①ケミカルメディエーター遊離抑制
②鼻腺の分泌を抑制
③鼻粘膜血管での血管透過性亢進抑制
④鼻粘膜組織の浮腫抑制
⑤炎症性サイトカイン産生抑制
フルチカゾンフランカルボン酸エステルはヒトGR に対して高い結合親和性を示し、その親和性はフルチカゾンプロピオン酸エステルの約1.7 倍、デキサメタゾンの約30 倍。
グルココルチコイド受容体(GR)に対する親和性(in vitro )
アラミスト(フルチカゾンフランカルボン酸エステル) 2989
ナゾネックス(モメタゾンフランカルボン酸エステル) 2244
フルナーゼ(フルチカゾンプロピオン酸エステル) 1775
リノコート(ベクロメタゾンプロピオン酸エステル) 1345
デキサメタゾン 100
この受容体への結合の強さにより、鼻・眼反射を介して目のかゆみや赤み・涙といった目の症状にも効果があると言われている。
<参考文献>
アラミスト点鼻液27.5μg 56噴霧用添付文書、インタビューフォーム、製品情報概要
アラミスト点鼻液の効能・効果
アレルギー性鼻炎
アラミスト点鼻液の用法・用量
成人には、通常1回各鼻腔に2噴霧(1噴霧あたりフルチカゾンフランカルボン酸エステルとして27.5μgを含有)を1日1回投与する。
小児には、通常1回各鼻腔に1噴霧(1噴霧あたりフルチカゾンフランカルボン酸エステルとして27.5μgを含有)を1日1回投与する。
本剤の十分な臨床効果を得るためには継続的に使用すること。
新しい噴霧器を使用する際には空噴霧を行い(6回程度)、液が完全に霧状になることを確認した後に使用するよう患者に指導すること。
なお、同じ噴霧器を2回目以降使用する場合には空噴霧は不要であるが、5日以上噴霧器の蓋が外れていた場合又は30日以上噴霧器を使用しなかった場合には空噴霧が必要となる場合がある。
アラミスト点鼻薬は朝・昼・夕・寝る前のいつ使えばよいのか
効果は24時間持続するので、どのタイミングで使っても効果に差はない。但し、効果を安定させること、使い忘れを防ぐという観点からなるべく毎日同じ時間帯に使うことを推奨する。
また、症状がひどいからと言って医師や薬剤師の指示よりも多く噴霧することはできない。効果は変わらないばかりか副作用のリスクが高まる。
アラミスト点鼻薬は何歳から使える?
低出生体重児、新生児、乳児又は2歳未満の幼児に対して使用経験がなく、安全性が確立していない⇒2歳から使用可能。
2歳~15歳未満→1回1噴霧。15歳以上1回2噴霧。
アラミストの名前の由来
ALLERGY(アレルギー)に有効なMIST(霧)
他のステロイド点鼻薬との違い
フルナーゼ点鼻薬(フルチカゾンプロピオン酸エステル)との違い
効果が強く得られる成分になり、1日1回でよくなった。フルナーゼ点鼻薬にあった特有のにおいが、アラミストにはない(無臭)。デバイスも横型に変更。フルナーゼは小児と成人で製品がことなるが、アラミスト点鼻は噴霧数の調節のみでよい。
バイオアベイラビリティの違い
- アラミスト点鼻:0.5%
- エリザス点鼻:14.0%
- ナゾネックス点鼻:0.2%
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