セロトニン受容体サブタイプについて作用、作動薬(アゴニスト)、拮抗薬(アンタゴニスト)、存在部位についてまとめました。
●5-HT1(Gi/Go共役型)●
5-HT1A
主な存在部位 中枢神経
作用 気分や不安と関係がある。5-HT2を抑制。
アゴニスト: セディール(タンドスピロン)
部分アゴニスト: エビリファイ(アリピプラゾール)
アンタゴニスト: メチオテピン
5-HT1B
主な存在部位 頭蓋血管平滑筋
作用 頭痛発作時に過度に拡張した頭蓋内外の血管を収縮
アゴニスト: アマージ(ナラトリプタン)、イミグラン(スマトリプタン)、ゾーミッグ(ゾルミトリプタン)、レルパックス(エレトリプタン)、マクサルト(リザトリプタン)
アンタゴニスト:
5-HT1D
主な存在部位 神経終末 頭蓋血管周辺の三叉神経終末
作用 興奮抑制に関与する自己受容体 三叉神経の活性化を抑制
アゴニスト: アマージ(ナラトリプタン)、イミグラン(スマトリプタン)、ゾーミッグ(ゾルミトリプタン)、レルパックス(エレトリプタン)、マクサルト(リザトリプタン)
アンタゴニスト:
●5-HT2(Gq/11共役型)●
5-HT2受容体拮抗作用は感情鈍磨や自発性欠如等の陰性症状に有効。
5-HT2A
非定型抗精神病薬の作用には5-HT2A受容体が重要と言われている。
主な存在部位 血小板
作用 不安・パニック 血小板凝集抑制 5-HT1A受容体のセロトニン作用を弱める作用がある。
アゴニスト:
アンタゴニスト: エビリファイ(アリピプラゾール)、シプロヘプタジン、リスパダール(リスペリドン)、ロナセン(ブロナンセリン)、 レメロン・リフレックス、 セロクエル(クエチアピン)
5-HT2B
主な存在部位
作用
アゴニスト:
アンタゴニスト:
5-HT2C
主な存在部位 中枢 視床下部
作用 不安・パニック グレリン分泌抑制を介した食欲低下作用
アゴニスト:
アンタゴニスト: 六君子湯、レメロン/リフレックス(ミルタザピン)
●5-HT3(イオンチャネル型 (Na+/K+/Ca2+))●
5-HT3Aと5-HT3Bが知られている。
主な存在部位 CTZ(chemoreceptor trigger zone)、消化管粘膜求心性迷走神経末端、
作用 消化管運動低下 延髄における嘔吐反射↑
アゴニスト:
アンタゴニスト: カイトリル(グラニセトロン)、ゾフラン(オンダンセトロン)、セロトーン(アザセトロン)、シンセロン(インジセトロン)、ナゼア・イリボー(ラモセトロン)、ナボバン(トロピセトロン)、レメロン/リフレックス(ミルタザピン)
●5-HT4 (Gs共役型)●
主な存在部位 消化管筋層間神経叢(消化管内在神経叢)
作用 アセチルコリン遊離↑
アゴニスト: ガスモチン(モサプリド)、大建中湯
アンタゴニスト:
●5-HT5 (Gs共役型)●
●5-HT6 (Gs共役型)●
●5-HT7 (Gs共役型)●
参考文献 各薬剤添付文書