ルボックス・デプロメールの薬物動態
食事の影響 なし
半減期 9時間(25mg)~14時間(200mg) ⇒1日2回投与
代謝酵素 CYP2D6
阻害酵素 CYP1A2、CYP3A4、CYP2D6、CYP2C19、CYP2C9
特にCYP1A2、CYP2C19の阻害作用が強い
薬物動態は非線形性を示します。
フルボキサミンは薬物代謝酵素を阻害するため併用禁忌に設定されている薬剤が多く注意が必要です。
併用禁忌
- テルネリン(塩酸チザニジン)→テルネリンの血中濃度上昇による著しい血圧低下など
- エフピー(塩酸セレギリン)
- メレリル(チオリダジン)発売中止
- オーラップ(ピモジド)
- ロゼレム(ラメルテオン)→併用によりロゼレム(ラメルテオン)の作用が強くあらわれるおそれがある。
併用注意
●テオフィリン(CYP1A2)
→テオフィリンはCYP1A2で代謝されるためフルボキサミンとの併用により、テオフィリンの血中濃度が上昇するおそれがある。
フルボキサミン25mg/日投与でテオフィリンのCmaxが1.01倍、AUCが1.47倍に、フルボキサミン75mg/日投与でテオフィリンのCmaxが1.2倍、AUCが2.38倍になったとの報告あり。1)
●カフェイン(CYP1A2)
→テオフィリンと同様にCYP1A2で代謝されるため、カフェインの血中濃度が上昇する可能性がある。カフェイン大量摂取時に見られる不眠、不安、興奮、動悸、手の震えなどの症状が出る可能性も考えられる。
フルボキサミン10mg/日投与でカフェインのCmaxが1.4倍、AUCが2.06倍に、フルボキサミン25mg/日投与でカフェインのCmaxが2.41倍、AUCが4.94倍になったとの報告あり。1)
●オメプラゾール(CYP2C19)
フルボキサミン10mg/日投与でオメプラゾールのAUCが2.74倍に、フルボキサミン25mg/日投与でオメプラゾールのAUCが4.3倍になったとの報告あり。1)
参考文献 ルボックス・デプロメール インタビューフォーム 添付文書 製品情報概要
1)日薬理誌128,93~103(2006)