ジェイゾロフト錠(一般名:塩酸セルトラリン)はファイザー株式会社から発売の抗うつ薬。
プラセボを対照とした比較試験で、日本で初めてうつ病・うつ状態の再燃抑制効果が示されたSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)です。
フルボキサミンやパロキセチンとくらべてCYP阻害能が低く、薬物相互作用が少ないという特徴があります。
適応症
うつ病・うつ状態、パニック障害
薬物動態
食事の影響 なし
半減期 約24時間⇒1日1回投与でOK
代謝酵素 CYP2C19、CYP2C9、CYP2B6、CYP3A4など。
阻害酵素
各種チトクロムP450に対する阻害定数(Ki)(ジェイゾロフト錠製品情報より)
薬剤CYPに対する阻害定数(Ki, μmol/L)
CYP1A2 | CYP2C9 | CYP2C19 | CYP2D6 | CYP3A4 | |
セルトラリン |
8.8~70 |
|
2.0 |
0.7~22.7 |
23~>100 |
パロキセチン |
5.5 |
|
7.5 |
0.15~2.0 |
39~>100 |
フルボキサミン |
0.2 |
+ |
+ |
0.15~8.2 |
10~60 |
フルオキセチン |
4~>100 |
|
5.2 |
0.07~3.5 |
60~83 |
+は: Kiは求められていないが、阻害性が示唆された。
フルボキサミン(CYP1A2,2C19)、パロキセチン(CYP2D6)と比較してもCYP阻害能が低いため、薬物相互作用は少ない。
活性代謝産物 デスメチルセルトラリン(活性はセルトラリンの約1/10)
併用禁忌
エフピー(セレギリン)
オーラップ(ピモジド)
作用機序
脳内においてセロトニンの再取り込みに関与するセロトニントランスポーターに結合し、セロトニンの再取り込みを阻害。シナプス間隙のセロトニン量を増加させることにより、抗うつ作用及び抗不安・パニック障害作用を発揮する。