アビガン錠(一般名:ファビピラビル)は富士フイルムグループの富山化学工業株式会社が製造販売承認を取得している抗インフルエンザウイルス治療薬。
製造販売承認を取得しているが、現在は販売されていない。薬価収載もまだ。
アビガン錠は、新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症が発生し、本剤を当該インフルエンザウイルスへの対策に使用すると国が判断した場合に、患者への投与が検討される。
最近ではインフルエンザよりもエボラ出血熱
アビガン錠200mg(一般名:ファビピラビル、以下「アビガン錠」)をエボラ出血熱対策として海外での使用を目的とした追加生産を決定。
西アフリカから欧州に緊急搬送されたエボラ出血熱患者複数人に対し、緊急対応として投与された。
エボラ出血熱患者への投与拡大に備えて、富山化学では現在2万人分の錠剤と30万人分の原薬を在庫している。
今後、さらなる臨床使用が進む場合に備え、エボラ出血熱向けとしての「アビガン錠」の生産を11月中旬より行う。
感染規模がさらに拡大した場合においても十分な量を継続的に供給可能とするため、追加生産により備えておくべきと判断した。
(2014年10月20日ニュースリリースより)
インフルエンザへの使用より先にエボラウイルスに対しての効果で大きな注目を浴びました。
⇒日本国内でエボラ出血熱の患者が発生した場合にもアビガン錠の投与が可能に
アビガン錠(ファビピラビル)の作用機序
アビガン錠は、リレンザやタミフルなどのノイラミニダーゼ阻害薬(ウイルスが感染した細胞内で遺伝子の放出を防ぐ)の作用機序とは異なる新薬。
ウイルスの遺伝子複製を担うRNAポリメラーゼという酵素を阻害することでウイルス増殖を防ぐ。
インフルエンザウイルスと増殖の過程がほぼ共通であるためエボラウイルスにも効果が期待できる。
効能・効果
新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症(ただし、他の抗インフルエンザウイルス薬が無効又は効果不十分のものに限る。)
用法・用量
通常、成人にはファビピラビルとして1日目は1回1600mgを1日2回、2日目から5日目は1回600mgを1日2回経口投与する。総投与期間は5日間とすること。
アビガンの薬価
薬価: 未収載(本文掲載時点での価格です。)
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