睡眠薬は大きく4つの種類に分類されることはこちらのページでまとめました。⇒睡眠薬の種類と特徴(ベンゾジアゼピン系とバルビツール酸系)
では、ベンゾジアゼピン系睡眠薬と非ベンゾジアゼピン系睡眠薬の違いは何でしょうか?
①構造上の違い
GABAA受容体複合体のベンゾジアゼピン結合部位(ω受容体)に結合する化合物のうち、ベンゾジアゼピン骨格を持っているものはベンゾジアゼピン系、持たないものは非ベンゾジアゼピン系に分類されます。
②作用の違い(ω1受容体とω2受容体の選択性)
作用機序はベンゾジアゼピン系睡眠薬も非ベンゾジアゼピン系睡眠薬も同じで、GABAA受容体複合体のベンゾジアゼピン結合部位(ω受容体)に結合します。
ベンゾジアゼピン結合部位には、ω1受容体、ω2受容体、ω3受容体があり、ω1受容体は主に小脳や大脳皮質に、ω2受容体は筋緊張に関与する脊髄や記憶に関与する海馬に多く、ω3受容体は副腎や睾丸等に分布しています。
ω1受容体:小脳や大脳皮質に分布。睡眠作用、抗けいれん作用を示す。ω2受容体:脊髄や海馬に分布。抗不安作用、筋弛緩作用を示す。
非ベンゾジアゼピン系睡眠薬はω1受容体への選択性が高いため、筋弛緩作用がベンゾジアゼピン系睡眠薬よりも弱く転倒などの副作用が少ないという利点があります。
非ベンゾジアゼピン系睡眠薬一覧
- マイスリー錠5mg、マイスリー錠10mg(一般名:ゾルピデム酒石酸塩)
- アモバン錠7.5mg、アモバン錠10mg(一般名:ゾピクロン)
- ルネスタ錠1mg、ルネスタ錠2mg、ルネスタ錠3mg(一般名:エスゾピクロン)
ちなみに、ω1受容体選択性はアモバン(一般名:ゾピクロン)よりもマイスリー(一般名:ゾルピデム酒石酸塩)の方がω1受容体への選択性高いです。
ベンゾジアゼピン系睡眠薬一覧
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