メキシチールはVaughan Williams(ヴォーン ウィリアムス)分類では1b群(Naチャネル抑制作用、活動電位短縮)にあたる抗不整脈薬です。頻脈性不整脈の治療の他、糖尿病性神経障害の自覚症状の改善にも用いられることがあります。
メキシチールカプセル(一般名:メキシレチン塩酸塩)の特徴、作用機序についてまとめました。
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適応症
1. 頻脈性不整脈(心室性)
2. 糖尿病性神経障害に伴う自覚症状(自発痛、しびれ感)の改善
用法用量に注意
不整脈への使用はメキシレチン塩酸塩として最大1日450mgであるが、糖尿病性神経障害に使う場合は1日300mgが上限。
理由:1日に300mg を超える投与の経験は少なく、安全性が十分確認されていないため。
作用機序
糖尿病性神経障害に伴う自覚症状(自発痛、しびれ感)の改善に対する作用機序 ⇒糖尿病性神経障害と神経障害性疼痛について
①神経細胞膜Na チャネル阻害作用
→神経細胞において求心性の活動電位を抑制
→末梢神経由来の神経活動抑制
→鎮痛作用
②(中枢神経系)痛みの伝達物質であるサブスタンスP の遊離抑制作用
→鎮痛作用
③上位中枢からの内因性オピオイドを介する下行性疼痛抑制神経の賦活
→脊髄後角ニューロンの過剰興奮を抑制
→鎮痛作用
代謝は主にCYP2D6及びCYP1A2で行われるため併用薬に注意が必要です。
参考文献
メキシチール添付文書 インタビューフォーム