トラゼンタ錠(一般名:リナグリプチン)は2011年9月15日に日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社から発売された2型糖尿病治療に用いられるDPP-4阻害薬。
グラクティブ/ジャヌビア(シタグリプチン)、エクア(ビルダグリプチン)、ネシーナ(アログリプチン)に次ぐ国内で4番目の選択的DPP-4阻害薬。
DPP-4阻害薬の発売日
- グラクティブ/ジャヌビア(シタグリプチン)発売日:2009年12月11日
- エクア(ビルダグリプチン)発売日:2010年4月16日
- ネシーナ(アログリプチン)発売日:2010年6月15日
- トラゼンタ(リナグリプチン)発売日:2011年9月15日
トラゼンタ錠(リナグリプチン)の特徴
シタグリプチン、ビルダグリプチン、アログリプチンはいずれも腎排泄型なのに対し、リナグリプチンは胆汁排泄型。腎機能が低下している方に対しても用量を調節する必要が無い。
1日1回1錠の服用で済む。
DPP-4阻害薬の用法・用量(比較)
- グラクティブ/ジャヌビア⇒50mg1日1回。100mg1日1回まで増量可。中等度腎機能障害のある患者では用量調節。
- エクア⇒50mgを1日2回(朝、夕)。50mg1日1回朝も可。
- ネシーナ⇒25mgを1日1回。腎機能の程度に応じて、投与量を適宜減量。
- トラゼンタ⇒5mgを1日1回。
作用機序
トラゼンタ錠はインクレチンを分解する酵素のDPP-4(ジペプチジルペプチダーゼ-4)を選択的に阻害することでインクレチンの作用を高め、血糖を低下させる。
インクレチンは食事の摂取が刺激となり消化管の特定の細胞から分泌されるホルモン。インスリン分泌を促進する作用(血糖値が高い場合のみ)とグルカゴンの分泌を低下させる作用を持つ。
効能・効果
2型糖尿病 (ただし、食事療法・運動療法のみで十分な効果が得られない場合に限る。)
2013年3月に2型糖尿病の新効能・効果取得により、トラゼンタは作用機序の異なる他の血糖降下薬(スルホニル尿素薬、速効型インスリン分泌促進薬、α-グルコシダーゼ阻害薬、ビグアナイド薬、チアゾリジン薬、インスリン製剤)との併用が可能になりました。
用法・用量
通常、成人にはリナグリプチンとして5mgを1日1回経口投与する。
トラゼンタ錠と他の糖尿病薬の併用の可否
⇒DPP4阻害薬と他の糖尿病薬との併用可否一覧表(2013年4月更新版)