ガバペン(一般名:ガバペンチン)はファイザー株式会社から発売された新規作用機序の抗てんかん薬。最近、ガバペンチンのプロドラッグであるレグナイト(一般名:ガバペンチン エナカルビル)も発売となったが、レグナイトはレストレスレッグスの適応しかない。
ガバペンの特徴
- ガバペンチンは興奮抑制系神経伝達物質であるGABAの類似体。
- ガバペンチンは、GABAの類似体ではあるが、GABAA受容体、GABAB受容体やベンゾジアゼピン受容体に対する活性を示さない(結合しない)。
- ナトリウムチャネルとも結合しない。
- 適応はてんかんのみ。
- 痛みを伝える神経伝達物質の放出を抑え、神経回路の神経伝達を抑制し、鎮痛効果をあらわすことから、帯状疱疹後等の神経性の疼痛にも適応外で使用されることがある。
- 体内でほとんど代謝されず、薬物代謝酵素を誘導・阻害しないため相互作用が起こりにくい(ほぼ100%が未変化体として尿中に排泄される)。
- 薬物動態は食事の影響を受けない。
- 小児用量の設定がある
⇒小児用量の設定がある抗てんかん薬 - ガバペンチンは小腸上部に局在するトランスポーターで吸収されるため吸収の飽和が起こることがあり、その場合投与量と血中濃度が比例しない。
⇒ガバペンチンのプロドラッグ レグナイト錠
ガバペンの服薬指導
投与初期の眠気、ふらつき等の症状に注意
1日3回投与の場合に、各投与間隔は12 時間を超えないものとする。
ガバペンの半減期は6~7時間程度ということもあり、1日3回の服用が必要とされている。
ガバペンの体内動態は食事の影響を受けないため、食前・食間・食後のいずれの投与も可能であることから、飲み忘れに気づいたらその時点ですぐ服用してもらうように指導しておく。
飲み忘れ等により、血中濃度の低下すると発作抑制効果が維持されない可能性があるため指示通り服用することが大切という事を伝える。
「本剤の血中濃度の低下により発作抑制効果が維持されない状況が起こらないように注意喚起すべきと考え、投与間隔の限界については、国内外の臨床試験における最大投与間隔に基づき12 時間とした。以上より、本剤を1 日3 回投与する場合は、投与間隔が12 時間を超えないものとすることと設定した。」(ガバペン錠インタビューフォームより)
このことからも、投与間隔が12時間以上にならないよう、服用の際には十分注意してもらいたい。
作用機序
①グルタミン酸神経系(興奮性)の抑制
ガバペンチンが興奮性神経系の前シナプスに存在する電位依存性Ca2+チャネルのα2δサブユニットヘ結合
↓
カルシウムの流入を抑制
↓
グルタミン酸などの神経伝達物質の遊離を抑制。
↓
抗けいれん作用、鎮痛作用
②GABA神経系(抑制性)機能の維持・増強
ガバペンチンは、脳内GABA量を増加させる
↓
GABAトランスポーターを活性化
↓
抑制性神経系であるGABA神経系機能を維持・増強。
以上の2つが作用機序として考えられている。
効能・効果
他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する抗てんかん薬との併用療法
用法・用量
成人及び13歳以上の小児
通常、ガバペンチンとして初日1日量600mg、2日目1日量1200mgをそれぞれ3回に分割経口投与する。3日目以降は、維持量として1日量1200mg~1800mgを3回に分割経口投与する。
なお、症状により適宜増減するが、1日最高投与量は2400mgまでとする。
3~12歳の幼児及び小児
通常、ガバペンチンとして初日1日量10mg/kg、2日目1日量20mg/kgをそれぞれ3回に分割経口投与する。3日目以降は維持量として、3~4歳の幼児には1日量40mg/kg、5~12歳の幼児及び小児には1日量25~35mg/kgを3回に分割経口投与する。
症状により適宜増減するが、1日最高投与量は50mg/kgまでとする。
なお、いずれの時期における投与量についても、成人及び13歳以上の小児での投与量を超えないこととする。
ガバペンの薬価
ガバペン錠200mg 1錠 39.3円
ガバペン錠300mg 1錠 52.8円
ガバペン錠400mg 1錠 64.5円
ガバペンシロップ5% 1mL 21.9円(本文掲載時点での価格です。)
ジェネリック:無し
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