ウルティブロ吸入用カプセル(一般名:インダカテロールマレイン酸塩/グリコピロニウム臭化物)はノバルティスファーマから発売の慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療薬。
以前にオンブレスとシーブリの合剤が開発中であると紹介しましたが、いよいよウルティブロ吸入用カプセルとして2013年11月に薬価収載となります。
LABA(Long Acting β2 Agonist)とは長時間作用性β2刺激薬のことで、気管支平滑筋のβ2受容体を刺激して気管支を拡張させます。
オンブレス吸入用カプセル150μg(一般名:インダカテロールマレイン酸塩)がLABAです。
LAMA(Long Acting Muscarinic Antagonist)とは長時間作用性抗コリン薬のことで、気管支平滑筋を収縮させるコリン作動性ムスカリン受容体に対して拮抗作用を示し、気道の収縮を抑制します。
>シーブリ吸入用カプセル50μg(一般名:グリコピロニウム臭化物)がLAMAです。
オンブレス(LABA)とシーブリ(LAMA)の配合剤がこのウルティブロ吸入用カプセルです。オンブレス、シーブリと同様、ブリーズヘラーという吸入器を使用して吸入します。
ウルティブロ吸入用カプセルとオンブレス吸入用カプセル150μg+シーブリ吸入用カプセル50μgの違い
1カプセル中グリコピロニウム臭化物63μg(グリコピロニウムとして50μg)及びインダカテロールマレイン酸塩143μg(インダカテロールとして110μg)を含有しています。
シーブリ吸入用カプセルは50μgですから量は全く同じ。オンブレス吸入用カプセルは150μgですので、インダカテロールの量が若干減っています。
配合剤にしたことでインダカテロールの肺からの吸収量が単剤と比べて増加したらしく、インダカテロールを110μgに減量したそうです。
作用機序
インダカテロールマレイン酸塩
気管支平滑筋のβ2受容体を刺激して気管支を拡張
グリコピロニウム臭化物
ムスカリン受容体に拮抗し、気道収縮作用を抑制
効能・効果
慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解(長時間作用性吸入抗コリン剤及び長時間作用性吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)(添付文書より)
用法・用量
通常、成人には1回1カプセル(グリコピロニウムとして50µg及びインダカテロールとして110µg)を1日1回本剤専用の吸入用器具を用いて吸入する。
(添付文書より)
ウルティブロ吸入用カプセルの薬価
薬価:⇒ウルティブロ吸入用カプセルの薬価
ジェネリック:無し
読んでおきたい薬学関連書籍
COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン第4版 [ 日本呼吸器学会 ]
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