ベタニス錠(一般名:ミラベグロン)は2011年9月16日にアステラス製薬から発売された世界初の選択的β3受容体刺激薬。過活動膀胱の治療薬。
ベタニス錠(ミラベグロン)の特徴
- 世界初の選択的β3受容体刺激作用をもつ過活動膀胱治療薬
- 抗コリン作用を持たない
- 1日1回投与で効果が持続
- 肝臓でCYP3A4により主に代謝される。
- CYP2D6の阻害作用あり→相互作用注意
- P-糖蛋白阻害作用を有する→相互作用注意
- ベタニス錠の名前の由来はBeta 3 agonist→ベタニス(インタビューフォームより)
- 動物実験で生殖器の委縮が認められている→生殖可能な年齢の患者への投与はできる限り避けること
- 食事の影響あり(空腹時投与したときのCmaxは高脂肪食食後投与時の2.11倍及び1.95倍に、AUClastは1.47倍及び1.40倍に増加。)→食後投与が原則。
従来の過活動膀胱治療の中心的な薬剤はバップフォー錠(プロピベリン塩酸塩)、ベシケア錠(コハク酸ソリフェナシン)、デトルシトールカプセル(酒石酸トルテロジン)、ウリトス錠/ステーブラ錠(イミダフェナシン)などの抗コリン薬だったが、口渇や便秘等の副作用が問題となることがありました。
過活動膀胱の治療効果は抗コリン薬の方が良いようですが、副作用等で使用できなかった人に対しては新規の作用機序をもつベタニス錠により、過活動膀胱治療の選択肢が広がることは間違いありません。
相互作用
問題となるのは主に以下の3点。
- ベタニス錠のP-糖蛋白阻害作用→P-糖蛋白質の基質薬剤の血中濃度上昇(ジゴキシン等)
- ベタニス錠のCYP2D6阻害作用→CYP2D6の基質薬剤の血中濃度上昇
- ベタニス錠はCYP3A4で代謝される→CYP3A4阻害作用を持つ薬剤との併用。
併用禁忌:
タンボコール(フレカイニド酢酸塩)、プロノン/ソビラール(プロパフェノン塩酸塩)
ミラベグロン及びこれらの薬剤がともに催不整脈作用を有し、またミラベグロンのCYP2D6阻害作用により、CYP2D6で代謝されるタンボコール(フレカイニド酢酸塩)、プロノン、ソビラール(プロパフェノン塩酸塩)の血中濃度が上昇するおそれあり。
作用機序
膀胱平滑筋のβ3アドレナリン受容体を選択的に刺激し、膀胱を弛緩させて畜尿機能を高める。
ベタニス錠がβ3受容体に結合→Gsタンパク質→アデニル酸シクラーゼ活性化→cAMP産生↑→細胞内カルシウムイオン↓→膀胱平滑筋弛緩
抗コリン作用は無いので、排尿機能には悪影響を及ぼしにくい。
効能・効果
過活動膀胱における尿意切迫、頻尿及び切迫性尿失禁
用法・用量
通常、成人にはミラベグロンとして1日1回食後に50mg経口投与する。中等度の肝機能障害患者(Child-Pughスコア7~9)と重度の腎機能障害患者(eGFR15~29mL/min/1.73m2)への投与は1日1回25mgから開始。
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