ネキシウムカプセル（一般名：エソメプラゾールマグネシウム水和物）は2011年9月15日にアストラゼネカ株式会社から発売された胃潰瘍・十二指腸潰瘍等の治療に使用されるプロトンポンプ阻害薬（PPI）。
薬価収載日は2011年9月12日。2012年9月末までは14日分処方が限度。
目次
特徴
- エソメプラゾール（esomeprazole）は、ラセミ体（RS体）のオメプラゾール（omeprazole）からS体のみを取り出した製剤。
- エソメプラゾールもオメプラゾールと同様にCYP2C19とCYP3A4で代謝されるが、オメプラールに比べてCYP2C19の影響を受けにくい。
- 従来のオメプラゾール製剤には適応が無かった、非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍または十二指腸潰瘍の再発抑制の効能が追加。
- 一包化は問題なし
- 脱カプセルは可能（カプセル内の顆粒が腸溶性コーティングされているため）だが、中の顆粒をすりつぶすのは×。
- CYP2C19のEM、PMのどちらにおいてもオメプラゾールと同等あるいはそれ以上の臨床効果が期待される。
効能・効果
- 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、非びらん性胃食道逆流症（ネキシウムカプセル10mgのみ）、Zollinger-Ellison症候群、非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制
- 下記におけるヘリコバクター・ピロリの除菌の補助
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃
※非びらん性胃食道逆流症（NERD：non-erosive reflux disease）とは、胃酸などの消化液が食道内に逆流することにより症状・徴候が出る病態のうち、内視鏡検査で食道にびらんや潰瘍が見当たらないものをいう。
オメプラール錠とネキシウムカプセルの適応症比較
| 適応症 | ネキシウム10 | ネキシウム20 | オメプラール10 | オメプラール20 |
| 胃潰瘍 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 十二指腸潰瘍 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 吻合部潰瘍 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 逆流性食道炎 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 非びらん性胃食道逆流症（NERD） | ○ | × | ○ | × |
| Zollinger-Ellison症候群 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制 | ○ | ○ | × | × |
| ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 薬価 | 96.7 | 168.9 | 97 | 169.4 |
※薬価は本文記載時のものです。
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