[toc]
キプレス(一般名:モンテルカストナトリウム)は杏林製薬株式会社から発売されたロイコトリエン拮抗薬。
シングレアは名称のみ異なるが同じ薬。MSD販売。
普通錠(5mg・10mg)に加え、OD錠10mg、チュアブル錠5mg、細粒4mgがある。
ジェネリック医薬品あり。
特徴
気管支喘息の適応をもつロイコトリエン受容体拮抗薬。喘息の症状は早朝に悪化するが多く、早朝の血漿中薬物濃度を高く維持するために就寝前服用となっている。
オノン(プランルカスト)は1日2回の服用が必要であるのに対し、モンテルカストは1日1回の服用で良い。
細粒
1歳以上6歳未満の小児に対しては用量調節が不要で、1日1回就寝前に4mg(細粒1包)を服用する。苦味はほとんどなく、口の中ですぐに溶けるので水なしで直接服用可能。
1歳から6歳までモンテルカストの用量調節が不要な理由
有効性、安全性に体重による大きな違いはなく、体重による用量調整の必要がないことが認められたため。 体重、年齢、症状等による用量調節をせず、全量を服用することとされている。
キプレス細粒、シングレア細粒を飲ませる時の注意
光に不安定であるため、開封後直ちに(15 分以内に)服用すること。 水なしで口に直接入れて服用可。飲んだ後に、水などの飲み物を飲んでも問題ない。 スプーン1杯程度の柔らかい食物、調製ミルクまたは母乳等と混ぜて飲むこともできるが、いずれも室温(30℃)以下のものでなければならない。(高温で性状変化の報告があるため)。
アイスクリーム、ジュース、ヨーグルトなどに混ぜても味はほぼ変わらない。
チュアブル錠5mg
キプレスチュアブル錠5mg、シングレアチュアブル錠5mg(モンテルカストナトリウム)はどちらも口の中で溶かすか、噛み砕いてから飲み込むチュアブル錠である。
これらのチュアブル錠は口の中で溶かしても噛み砕いても薬剤が口の中で吸収されることはないので、普通の錠剤と同じように水で飲み込んでも全く問題はない。
しかし、チュアブル錠は通常の錠剤より大きいことが多いので、やはり噛み砕くか溶かしてから飲んだ方が飲みやすいと思われる。
どちらもアスパルテームという人工甘味料が使用されているので服用後は歯みがきを忘れずに。
モンテルカスト錠5mgとモンテルカストチュアブル錠5mgは代替可能か?
モンテルカスト錠5mg(フィルムコーティング錠)はモンテルカストチュアブル錠5mgと生物学的に同等でなく、モンテルカストチュアブル錠はモンテルカストフィルムコーティング錠と比較してバイオアベイラビリティが高いため代替不可。適応症も薬物動態も異なる。
モンテルカストフィルムコーティング錠5mgとモンテルカストチュアブル錠5mgをそれぞれ相互に代用しないことと添付文書にも記載がある。
モンテルカストチュアブル錠の方が普通錠に比べて最高血中濃度到達時間(Tmax)は短く、最高血中濃度(Cmax)は高い。
ちなみに、モンテルカスト錠10mgとモンテルカストOD錠10mgは生物学的に同等である。
作用機序
ロイコトリエン受容体に選択的に結合し、ロイコトリエンに拮抗することで気道炎症、気道収縮、気道過敏性亢進を抑制する作用を示す。
効能・効果
気管支喘息
アレルギー性鼻炎(錠5mg、錠10mg、OD錠10mgのみ)
(添付文書より)
用法・用量(キプレス・シングレア共通)
細粒
通常、1歳以上6歳未満の小児にはモンテルカストとして4mg(細粒1包)を1日1回就寝前に経口投与する。
チュアブル錠
通常、6歳以上の小児にはモンテルカストとして5mgを1日1回就寝前に経口投与する。
錠・OD錠
<気管支喘息>
通常、成人にはモンテルカストとして10mgを1日1回就寝前に経口投与する。
<アレルギー性鼻炎>
通常、成人にはモンテルカストとして5~10mgを1日1回就寝前に経口投与する。
(添付文書より)
<参考文献> キプレス細粒添付文書、インタビューフォーム、患者向け医薬品ガイド