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ベルソムラ錠(一般名:スボレキサントは2014年にMSDより発売された新規の作用機序を持つ不眠症治療薬。
新規作用機序の不眠症治療薬は2010年のロゼレム(ラメルテオン)以来です。
目次
ベルソムラ錠の作用機序
ベルソムラは、シナプス前末端より放出されるオレキシンの受容体への結合をブロック(オレキシンは、視床下部のニューロンから産生される覚醒を維持する神経伝達物質)
↓
過剰に働いている覚醒システムを抑制
↓
覚醒状態から睡眠状態へ移行させ、眠りをもたらす
特徴
- GABA受容体には結合しないので抗不安作用や筋弛緩作用は無い。
-
服用初日より入眠までの時間、中途覚醒時間を短縮。
- CYP3Aを強く阻害する薬剤(イトラコナゾール、クラリスロマイシン、リトナビル、サキナビル、ネルフィナビル、インジナビル、テラプレビル、ボリコナゾール)とは併用禁忌
(商品名の例)
イトラコナゾール:イトリゾール®他
クラリスロマイシン:クラリシッド®他
リトナビル:ノービア®
サキナビル:インビラーゼ®
ネルフィナビル:ビラセプト®
インジナビル:クリキシバン®
テラプレビル:テラビック®
ボリコナゾール:ブイフェンド® - 食後服用で入眠効果の発現が遅れる
- 弱いP糖蛋白阻害作用あり⇒ジゴキシンとの相互作用注意必要
- ベンゾジアゼピン系薬剤とは異なり、半減期と作用時間に相関性はない。
効能・効果
不眠症
(二次性不眠症に対する本剤の有効性及び安全性は確立されていない。)
(ベルソムラ錠添付文書より)
用法・用量
通常、成人にはスボレキサントとして1日1回20mgを、高齢者には1日1回15mgを就寝直前に経口投与する。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
- 本剤は就寝の直前に服用させること。また、服用して就寝した後、睡眠途中で一時的に起床して仕事等で活動する可能性があるときは服用させないこと。
- 入眠効果の発現が遅れるおそれがあるため、本剤の食事と同時又は食直後の服用は避けること。〔食後投与では、空腹時投与に比べ、投与直後のスボレキサントの血漿中濃度が低下することがある)
- 他の不眠症治療薬と併用したときの有効性及び安全性は確立されていない。
薬価
⇒新規作用機序の不眠症治療薬ベルソムラ錠(スボレキサント)の薬価