ルネスタ錠(一般名:エスゾピクロン)とアモバン錠(一般名:ゾピクロン)はいずれも非ベンゾジアゼピン系の超短時間型の睡眠導入薬です。ルネスタはアモバンから活性の強いS体のみを光学分割して得られた製剤で、アモバンよりも少量の投与で睡眠効果が期待できます。
新規に発売されたルネスタ錠の苦味はアモバンと比較してどうなのでしょうか?
ルネスタとアモバン 服用後に苦味が出る理由
なぜ服用後にも苦味がでるのでしょうか。
それは、服用後体内から排泄される過程において、苦味を持つ代謝物が唾液中に分泌されるからです。
そのため、錠剤に舌が触れていない時でも苦味を感じてしまいます。
「健康成人にアモバン錠10mgを経口投与したところ、24時間までの唾液中総分泌量は投与量の約4%であった。」(アモバン錠製品情報概要より)
ルネスタの苦味
アモバンの通常用量(ゾピクロンとして1日1回7.5~10mg)に比べ、ルネスタの通常用量(エスゾピクロンとして1~3mg)は少なくなっています。
体内に取り入れる薬剤の量が減れば、それに伴い唾液中に分泌される代謝物の量も減りますから、ルネスタの苦味はアモバンよりも軽減される事が期待できるはずです。
ルネスタとアモバンの苦味対処法
錠剤を割ったり噛んだりせずなるべく舌に触れさせないように飲むことでいくらか軽減されるかもしれませんが、苦味の原因は薬の代謝によるものなので結局は後から苦味が出てきます。
同系統の薬剤に変更してもらうのが良いでしょう。
変更が検討される薬剤(超短時間型睡眠薬)
現在アモバン錠を服用している人⇒マイスリー錠、ハルシオン錠、ルネスタ錠
現在ルネスタ錠を服用している人⇒マイスリー錠、ハルシオン錠
苦味の発現:ルネスタ<アモバン
※成分量がルネスタの方が少ないため。苦味は用量依存。
ルネスタ錠、アモバン錠、マイスリー錠、ハルシオン錠の薬価比較
超短時間型睡眠薬にこだわらなければ選択肢はさらに拡がります。
ルネスタ(エスゾピクロンの特徴)
アモバン(ゾピクロン)の特徴
- 超短時間型睡眠薬
- 深い眠り(徐波睡眠、ステージ3・4)を増加させ、レム睡眠に対する影響は少ないとされている。
- ω1受容体への親和性が高い。
→抗不安作用、抗けいれん作用、筋弛緩作用が弱い。
ω1受容体・・・催眠鎮静作用関与
ω2受容体・・・抗不安作用や筋弛緩作用、抗けいれん作用に関与 - 筋弛緩作用が比較的弱いので、アモバンはSAS(睡眠時無呼吸症候群)患者にも処方されることがある。
- 苦味が強いため粉砕調剤や半錠への分割をしないことが望ましい。
- 通常の服用でも翌朝に口内に苦味を感じることもある。
⇒ゾピクロンの代謝物が唾液腺を通り、唾液中に排泄されるため。
代謝は主にCYP3A4(一部2C8)
t1/2:3.66時間 tmax:1.17hr (7.5mg)
アモバンとルネスタの作用機序
GABAA受容体/BZ結合部位/Cl-チャネル複合体のベンゾジアゼピン結合部位(ω1)に結合
↓
GABA(γ-アミノ酪酸)のGABAA受容体に対する親和性増加
↓
GABAの作用増強
↓
Cl–チャネル開口
↓
細胞内Cl–上昇
↓
神経膜過分極
↓
抑制性神経機能亢進
↓
覚醒系である視床下部及び脳幹網様体への刺激を減少
↓
睡眠作用
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