スーグラ錠(一般名:イプラグリフロジン)の発売開始から1ヶ月間の副作用報告によると、因果関係不明なものも含め重症低血糖、ケトアシドーシス、脳梗塞、全身性皮疹などの重篤な副作用が発症しているとの事でした。
SGLT2阻害薬の適正使用に関する委員会から「SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation」が出されました。
- SU 薬等インスリン分泌促進薬やインスリンと併用する場合には、低血糖に十分留意して、それらの用量を減じる(方法については下記参照)。患者にも低血糖に関する教育を十分行うこと。
- 高齢者への投与は、慎重に適応を考えたうえで開始する。発売から3ヶ月間に65歳以上の患者に投与する場合には、全例登録すること。
- 脱水防止について患者への説明も含めて十分に対策を講じること。利尿薬との併用は推奨されない。
- 発熱・下痢・嘔吐などがあるときないしは食思不振で食事が十分摂れないような場合(シックデイ)には休薬する。
- 本剤投与後、皮疹・紅斑などが認められた場合には速やかに投与を中止し、副作用報告を行うこと。
- 尿路感染・性器感染については、適宜問診・検査を行って、発見に努めること。問診では質問紙の活用も推奨される。
- 原則として、本剤は他に2剤程度までの併用が当面推奨される。
低血糖
低血糖の可能性については服薬指導でほぼ確実に説明はされていることと思います。
当方でもスーグラ錠の処方を応需していますが、処方医も併用しているSU剤を減量するなど低血糖に対して十分に注意していると処方せんから感じられます。
重要な基本的注意
1. 本剤の使用にあたっては、患者に対し低血糖症状及びその対処方法について十分説明すること。
特に、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤又はインスリン製剤と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがある。
スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤又はインスリン製剤と併用する場合には、これらの薬剤による低血糖のリスクを軽減するため、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤又はインスリン製剤の減量を検討すること。<スーグラ錠添付文書より>
具体的には、SU薬にSGLT2阻害薬を併用する場合にはDPP-4阻害薬の場合に準じてSU薬を減量することが推奨されています。
- グリメピリド(商品名:アマリール)2mg/日を超えて使用している患者は2mg/日以下に減じる
- グリベンクラミド(商品名:オイグルコン、ダオニール)1.25mg/日を超えて使用している患者は1.25mg/日以下に減じる
- グリクラジド(商品名:グリミクロン)40mg/日を超えて使用している患者は40mg/日以下に減じる
現在のところ、SGLT2阻害薬は長期処方ができないため処方量としてはまだまだ少ないですが、徐々に伸びていくことはほぼ間違いないでしょう。
薬局薬剤師としては服薬指導を通じてしっかりと副作用の予防、早期発見をしていかなければなりません。