Instagramフォローお願いします!→Instagram

ヘリコバクター・ピロリの除菌療法

YouTubeでは薬剤師の転職のコツや薬の情報を発信しています。

▼チャンネル登録お願いします▼

[toc]

ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)の除菌療法についてのまとめです。

目次

ヘリコバクター・ピロリの概要

  • ヘリコバクター・ピロリはグラム陰性桿菌。
  • 萎縮性胃炎、胃潰瘍、胃がんの発生に関与している。
  • 日本には約3500万人のピロリ菌感染者がいると推測されている。
  • ヘリコバクター・ピロリの発見は1983年。
  • 感染率は高齢者ほど高い。
  • 小児期に経口感染すると考えられている。

 

ヘリコバクターピロリ除菌療法の適応症

  • 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
  • 胃MALTリンパ腫
  • 特発性血小板減少性紫斑病
  • 早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃におけるヘリコバクター・ピロリ感染症
  • ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎

 

診断と検査

侵襲的検査(内視鏡使用)

迅速ウレアーゼ試験(RUT)

内視鏡で採取した胃の組織を尿素含有試薬と反応させて調べる。

 

鏡検法

内視鏡で採取した胃の組織を顕微鏡で調べる。

 

培養法

内視鏡で採取した胃の組織からピロリ菌を分離培養して調べる。

 

非侵襲的検査

尿素呼気試験(UBT)

検査薬(13C-尿素)を用いて呼気中の(13CO2)の割合を測定する。感染している場合は13CO2のが呼気に多く含まれる。

 

抗体測定法

血液や尿を用いて抗H.pylori抗体を測定する。

 

便中H.pylori抗原測定法

便中のH.pylori抗原の有無を測定する。

 

除菌判定の検査には尿素呼気試験(UBT)と便中H.pylori抗原測定が推奨されています(ガイドライン)。

 

治療薬

一次除菌

  1. クラリスロマイシン(200) 1回1錠または2錠
  2. アモキシシリン水和物(250)1回3カプセル(錠)
  3. 下記のいずれかのPPI
    ランソプラゾール(30)1回1錠(カプセル)
    オメプラゾール(20) 1回1錠
    エソメプラゾール(20)1回1カプセル
    ラベプラゾール(10)1回1錠
    ボノプラザン(20)1回1錠

1.2.3の3剤を1日2回朝夕食後に7日間服用。

1.2.3が組み合わされたパック製剤がよく処方されます。

 

一次除菌用パック製剤
  • ランサップ400、ランサップ800(武田薬品工業)
  • ラベキュアパック400、ラベキュアパック800(エーザイ)

 

400、800はクラリスロマイシンの1日量の違い。実際400mgでも800mgでも除菌率に差はないのでほとんど400で処方されます。

ランサップとラベキュアパックの違いはPPIの種類。ランサップは武田薬品なのでタケプロンが、ラベキュアパックはエーザイなのでパリエットが入っています。

ヘリコバクター・ピロリの除菌療法 パック製剤一覧表

 

二次除菌

一次除菌が不成功と診断された場合、二次除菌が行われます。

  1. メトロニダゾール(250) 1回1錠
  2. アモキシシリン水和物(250)1回3カプセル(錠)
  3. 下記のいずれかのPPI
    ランソプラゾール(30)1回1錠(カプセル)
    オメプラゾール(20) 1回1錠
    エソメプラゾール(20)1回1カプセル
    ラベプラゾール(10)1回1錠
    ボノプラザン(20)1回1錠

クラリスマイシンをメトロニダゾールに変更し、1日2回朝夕食後7日間服用します。

 

ニ次除菌用パック製剤
  • ランピオンパック(武田薬品工業)
  • ラベファインパック

ランピオンパックとラベファインパックの違いはPPIの種類。ランピオンパックにはタケプロン(ランソプラゾール)が、ラベファインパックにはパリエット(ラベプラゾールが入っています。

一次除菌と二次除菌を受けると97~98%は除菌が成功します。

 

三次除菌

保険外診療です。

PPI+アモキシシリン+グレースビットの三剤併用療法が用いられることが多いようです。

 

ピロリ菌除菌薬の副作用

下痢・軟便が最も多い。ひどくなければ7日間継続。発熱や腹痛、血便を伴う下痢であれば中止して受診を勧めます。

他には味覚異常、肝障害など。

禁煙は必須です。喫煙により除菌成功率が下がるという報告があります。

また、メトロニダゾールとアルコールの併用で悪酔いする可能性(ジスルフィラム-アルコール反応)がありますので禁酒も必要です。

除菌成功率を上げるには

ピロリ菌除菌の成功率を挙げるには以下の注意点を守りましょう

  • 飲み忘れの無いように1日2回、7日間きっちり服用する
  • 禁煙をする
  • 禁酒する

 

ガイドライン

H. pylori 感染の診断と治療のガイドライン 2009 改訂版

 

学会

日本ヘリコバクター学会

 

合わせて読みたい消化器科系専門雑誌

読んでおきたい薬学関連書籍

これでわかるピロリ除菌療法と保険適用改訂第4版

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次